開催趣旨・ご挨拶

pak agus

多文化主義・多言語主義をうたっている国としてカナダやオーストラリアがあげられます 。このような国で、日本語の話者を増やしていくことには意味があります。ICJLE2014の大 会テーマが「つながりとコミュニティー:CONNECTIONS AND COMMUNITIES」であっ たことは、大変すばらしいことであり、大いに意味のある大会であったと思います。

インドネシアでは、公用語としてインドネシア語が学ばれますが、国内で使用される言語数は500とも600ともいわれています。さらに、英語をはじめ、日本語、ヨーロッパ諸語、中国語などを身につけるための学習が盛んに行われています。このような背景を持つインドネシアで、インドネシアの現地語と公用語とは大きく異なる日本語を学ぶ学習者の苦労 や努力を知っていただくこと、またそこから、どのような日本語学習に対する支援ができる かを考えていくことは、今後の日本語教育を考える上で、大変意味のあることだと考えます。

このような背景をふまえて、今回、「無限の可能性(an infinity of possibilities)」とい うテーマを考えました。インドネシアにおいて、東南アジアにおいて、ひいては世界におい て、インドネシアで開催される「ICJLE世界大会」が無限の可能性をもって広がっていくも のになることを期待します。

日本語学習者が急増しているインドネシアが、今回、Global Neoworkに加盟し、近隣 諸国の協力も得ながら、学会員が一丸となって国際大会に取り組むことは、インドネシア の日本語教育の発展、東南アジアの日本語教育の活性化、さらには世界の日本語教育 の活性化につながると考えます。

非漢字圏であるインドネシアにおいて、学習者が年々増えており(韓国を抜き、今や世 界第2位)、日本語学習に新しい流れが見られます。インドネシアという国は地域言語の 数が非常に多い国であります。多くのインドネシア人が小学校に入学後、公用語であるイ ンドネシア語を学びます。インドネシア人にとって他国の言語を学ぶということは、第三の 言語を学ぶことであります。この意味で、インドネシアにおける語学学習は、マルチリンガ ルとしての可能性を持っています。今後、アジアの中でも、特に「東南アジア」の学習者が さらに増えることが予想されます。ここでの学習者の特徴を知ること、日本語を取り巻く環 境がどのようなものであるかを共有することは、今後の日本語教育の発展に資する可能性 を持っています。

イスラム教徒の多いインドネシアでの教育は、日本語教育に付随する文化学習の要素 も含め、知っておかなければならないことが多いです。外国語教育において、このような 文化的な視点は避けることができません。文化的な視点も含んだ言語教育という新たな面 も考える必要があります

今回の大会で期待される効果は、日々の教育現場の中から、研究につながるような課 題をインドネシアの日本語教師が見つけられるようになり、そこから教育内容の改善や充 実につながるような研究が生まれていくことであります。また、それぞれの学校において、教師が教えているレベルやプログラムに合わせた日本語教育の方策を考え、それらを共 有することにより、自らの教育実践を振り返り、教育内容の充実をはかることであります。これらの研究や教育実践の振り返りが、インドネシアの日本語教育全体に大いなる示唆を 与えることとなるよう期待しています。